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瀬名は自らの才能に自信を抱けず、心惹かれる後輩の奥沢涼子への感情もなかなか進展しない中、ある日、酔った南が2人をからかって、彼の気分を害してしまいます。
その折、瀬名に届いたハガキにより、朝倉との婚約が解消されたことを知る。南は、微かな期待を抱いていたが、結局彼が戻ってこないことにがっかりする。南に対して、瀬名は人生が順調でないときは「神様からの贈り物の休息」と捉えようと、提案して元気づけます。2人は問題が山積みの共同生活を経て、お互いにとって欠かせない存在に変化していく。

涼子に勧められつつも、瀬名は近く開催されるコンクールへの参加を辞退し、「今は自分を試すタイミングじゃない気がする」と述べる。一方、事務所を解雇された南も焦ることなく、それぞれの状況を受け入れて過ごすことにする。そんな中、都会に出てきた南の弟、真二がクラブをオープンさせ、彼女は瀬名に涼子との関係を深めてもらうために、その店に案内することになりました。しかし、瀬名が涼子に積極的にアプローチできない中、真二と彼女は意気投合し、その後、真二がタクシーで送り届けてくれると、2人は一緒に店を後にした。

真二が深夜まで涼子の部屋にいたという噂を耳にした瀬名は不安に駆られますが、南から直接話を聞いたところ、心配は杞憂に過ぎなかったと知り、安心しました。後日、瀬名は涼子と対面し、キスしようとしましたが、躊躇したため「いくじなし」と言われ、帰宅後に落ち込む。それを慰めた南は、瀬名の恋を応援することにしました。

南は瀬名が明日、自分の家で涼子に正式な告白をすることを知り、自分が涼子の役を演じて予行演習することに。しかし、当日、こっそりと提案の様子を見ていた南は、なぜか寂しさを覚えてしまいます。

告白が成功し、瀬名と涼子はデートすることになりました。デート当日、映画を観た後、感想を言い合うが、あまり共感が得られず、結局瀬名はつい彼女の意見に合わせ、本音を言えません。南は新しく知り合った写真家、杉崎哲也に誘われて、特別なライブに行くことになり、それを瀬名に興奮気味で報告します。しかし、当日、会場で涼子と真二が別々にやってきているのを見てしまいます。夜遅く、瀬名は涼子からの電話で「今から会えませんか？」と誘われます。南から悪い予感がすると忠告されつつも、瀬名はついつい彼女に会いに行ってしまいます。

瀬名は涼子から他に好きな人がいることを告げられ、気分が沈んでしまいます。しかし、家に帰ると、南から「瀬名にはピアノがあるから大丈夫」と勇気付けてもらいました。南は何度も面接に失敗していましたが、杉崎からカメラアシスタントとして誘われました。経験がなく自信がなかった南は、瀬名に相談し、彼から「とにかくやってみるべきだ」と助言を受けて仕事を始めることにしました。

涼子が気になる相手が真二であることを知った瀬名は、彼女のために告白の機会を設け、その夜、南が「お人好し」と言いながらも慰めてくれた雰囲気で2人はキスをしてしまいます。

瀬名と南は昨夜の出来事でお互いに意識し合っていますが、彼女は杉崎から預かった現像所に届けるためのフィルムをなくしてしまい、一日中街を探し回ってもどこにもありません。

南は責任を感じて仕事を辞める覚悟で事務所に向かいます。しかし、そこで杉崎から、フィルムを拾って届けてくれた人の話を聞き、ほっとしました。夜通し作業して翌日の入稿を終えた南は、杉崎から告白されました。「いつも精一杯な君を見ると切なくなるけど、切ないのは俺が君を好きだから」と言われましたのです。

南は朝早く帰宅し、その直後に忘れものを届けに来た杉崎に瀬名を紹介しました。そして、心の中ではルームシェアを解消する時期が近づいてきたと感じ始めるのです。瀬名が「音和堂クラシックコンクール」に挑戦を決断した時、南は杉崎から過去に結婚していて、元妻との間に子供がいることを告白されます。しかし、それでもなお距離を縮め、南は写真の技術を学ぶことを始めます。南は瀬名と最後の夕食を共にしますが、些細なことから喧嘩になり、2人で楽しもうと買っておいた花火をすることもなく、翌朝さよならを告げて部屋を出ていきました。

コンクール直前に新しいトレーナーから厳しいフィードバックを受けた瀬名は、自分の限界を感じ、ピアノの演奏をやめ、音楽教室の仕事も辞めることにしました。
南は真二から聞いた出来事に対し、瀬名にピアノを続けるように説得しますが、「何があってもこれ以上上手く弾けるようにはならない」と瀬名に告げられてしまいます。納得できない南は、新しい電子ピアノを手に入れ、彼が以前に弾いてくれた思い出の曲を一週間もの間、猛練習し、未熟ながらも彼のために心を込めて演奏してみせました。南の演奏を聴き、心が奇跡的に打たれた瀬名は、再び南から説得され、ピアノへの情熱を取り戻すことになりました。

予選の日が訪れ、コンクールの会場で瀬名の素晴らしいピアノ演奏を聴いた南は、彼と過ごした日々の思い出が一斉に蘇りました。
後日、予選を勝ち抜いた瀬名は南に対し、最優秀賞を獲得したらボストンに行くと告げ、その一方で南からは杉崎からのプロポーズを聞き、お互いに驚きとショックを受けます。南は杉崎からのプロポーズの返事を待つと言われ、その後も彼と一緒に食事に行ったり、遊びに出かけたりしていました。しかし、心の中にはなんとなくもやもやとした感情が漂っています。瀬名はアパートの屋上で前に南が置いて行った花火を一人で楽しんでいる最中、彼女が突然現れて「あなたとキスしに来た」と言い、2人はそこで情熱的なキスを交わしました。

南は真の愛が瀬名にあることに気づき、その夜、2人は結ばれました。翌日、南は杉崎に謝罪し、結婚の申し出を辞退したことを伝え、事務所を離れていきました。数日後、南は再び瀬名の部屋を訪れますが、会話の流れから口論が勃発しました。
「勝手にボストンに行けば？」と言ってしまい、彼女は、写真家としての道に挑戦しようと思い始めました。瀬名はピアニストとしての未来と南との関係に区切りをつけるべく、本大会に挑むことを決意しました。彼は彼女に向かって、「これからは長い休みも終わりだから」と言い、本大会のチケットを手渡しました。
本選当日、瀬名は南に抱く思いを心に秘めつつ、全力の演奏を披露しました。客席にいた彼女はその演奏に感動し、思わず涙が頬を伝いました。採点の結果、見事瀬名が最優秀賞を手にし、ボストン行きを勝ち取った瞬間。南は主催者たちに囲まれる彼の姿を見届け、離れた場所から「がんばれ」とつぶやき、そっと会場を後にしました。街で南の姿を見失った瀬名は、演奏時のままの衣装で街を駆け巡りました。やっとの思いで彼女に追いつくと、「一緒にボストンに行こう」と告げました。彼女は黙って「はい」と返事する代わりに、瀬名にキスをしました。